コラム

なぜ4月1日生まれは早生まれなのか?

年齢計算も法律で定められていることをご存知でしょうか。
年齢計算二関スル法律」という法律があります。
この法律は、明治35年12月2日に公布され、同年12月22日に施行されました。明治35年は1902年ですから、120年程前に制定された法律です。この法律はわずか3項です。

①年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス
②民法第百四十三条ノ規定ハ年齢ノ計算二之ヲ準用ス
③明治六年第三十六号布告(年齢計算方ヲ定ム)ハ之ヲ廃止ス

年齢計算二関スル法律により準用されている民法143条には、

①週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。
②週、月又は年の初めから起算をしないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。

とあります。

さて、2022年4月1日に生まれた人を例に見てみましょう。
年齢計算に関する法律によると、出生の日より起算することになりますから、4月1日を0歳とします。4月1日午前0時0分に生まれても、午後23時59分に生まれても、4月1日が0歳です。
ではいつ1歳になるのでしょうか?
民法143条によると、4月1日に応当する日の前日に0歳の期間が満了しますので、2023年3月31日24時00分で満1歳になります。
ですから、「誕生日おめでとう!」というのは4月1日で良いのですが、歳になっておめでとう!」というのは、厳密には3月31日(24時00分)ということになります

では、なぜ4月1日生まれが1学年上になるのかについて話しを移しましょう。
学校教育法には、「保護者は、子の満6歳に達した日の翌日以降における最初の学年の初めから」小学校等に就学させる義務を負うとの規定があります。小学校の学年は4月1日に始まります。そのため、3月31日に満6歳になる子であればその翌日である4月1日が学年の初めになります。他方、4月1日に満6歳になる子であれば、その翌日は4月2日ですので、次の学年になります。
3月31日に満6歳になる子は、4月1日生まれでした。一方、4月1日に満6歳になる子は4月2日生まれでした。
ですから、4月1日生まれと2日生まれは学年が異なると言うことになります。

2月29日生まれの人は、いつ年をとるのでしょうか?
4年ごとかというとそういうことではありません。前日の28日に満歳になります。そうすると、誕生日を祝う日としては、閏年は2月29日、そうでない年は3月1日ということになるのではないかと思います。

関連記事