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法律相談|土地の賃借人に相続が発生した!

相談内容

私は土地をAさんに貸していました。Aさんは貸していた土地に建物を建てて息子さんのBさんと一緒に住んでいましたが、先日亡くなりました。Aさんには、BさんのほかにCさんという息子さんがいるようです。BさんとCさんとの間で遺産分割協議はされていないようです。賃貸借契約期間がそろそろ満了するので更新拒絶をしたいと思っています。

Aさんの死亡により借地権は消滅しますか?

借地権は、相続の対象になる財産権です。このため、Aさんの死亡により消滅するわけではありません。今回の場合は、借地権を誰が取得するのかはBさんとCさんとの遺産分割協議により決まることになるでしょう。遺産分割協議が成立する前は、BさんとCさんが共同賃借人となります

借地権の更新拒絶は誰にすれば良いですか?

賃貸借契約の期間が満了するため更新拒絶の意思表示をしたという場合、Bさんだけにすれば良いのでしょうか?Cさんにもしなければならないのでしょうか?
先ほど説明しましたように、遺産分割協議が成立する前は、BさんとCさんが共同賃借人となります。更新拒絶の意思表示も相続人全員に対してすべきです。つまり、BさんにもCさんにもするのがよろしいでしょう。

必ず相続人の全員に意思表示しなければならないのでしょうか?

Cさんは遠方に住んでおり、すべてBさんに任せているようです。このような場合にも、BさんとCさんに意思表示をする必要があるのでしょうか?
相続人全員から一人の相続人に代理権が与えられていたり、交渉や処理を任されていたりするような場合は、その相続人とやりとりすれば足りるということもあります。しかし、BさんとCさんとの間でどのような話がされているのかをしっかり把握するのは難しいところもあります。やはり、BさんとCさんの双方に意思表示をするのが無難です。
もし、Bさんにだけ意思表示をするとしても、CさんからBさんの委任状を出してもらうなどして、Bさんの権限を確認することが求められます。ただ、Bさんが勝手に委任状を作っているということもあり得るので、その権限の確認は慎重にしないといけません。

※上記の相談内容は創作が含まれており、実際の相談とは異なります。また、事案によって助言内容も異なりますので、お困りの場合は弁護士にご相談ください。不動産が関係する相続は当事務所でもお受けしております

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